第2章 設計図はディティールのかたまり

生産設計ということを序章の部分で述べたと思うが、設計図の本来の意味、意図を考えると、自ずとその形が決まってくると思う。

  1. 使用目的

  2. その図面を誰が見るのか、使うのか

  3. 誰が書くのか

例えば確認申請に使う図面と、実際施工現場で使われる図面とでは自ずと書かれている密度に違いがあるのは当然のことである。

しかし今まで書かれていた設計図は確認申請図=設計図というような傾向があった。

一般に設計図と呼ばれる物には建築以外にも、機械、電気、その他人工的に作り出される物には何らかの形で設計図が存在する。

しかし建築図以外の設計図は生産に直結しているのが原則である。そして情報の密度も1枚の設計図に伝達しなければならない情報をすべて盛り込むように作られている。

しかし建築の図面はどうであろう。必ずしも生産に直結しているとは言い難い。特に今までの設計と施工が分離した状態で行われてきた建築現場では、設計図からさらに現場で施工できる図面に書き直しているのが現状である。これは非常に無駄な作業であり、設計者の意図が必ずしも反映されているか疑問である。設計者自身も施工ノウハウがわからなければ自分の意図とする物に現場で施工されているかどうか、チェックするにしても出来上がった物に対してチェックするよりも、図面の段階で検討がなされていれば、品質管理の面からも有効であることは明白である。

そこで生産設計という考え方が生まれてくる。生産設計とは生産に有利な構.工法の選定、最適材料の選択、構造の単純化、標準化、資材、労務の入手性などを検討することである。これらの検討は古くは設計者が指導的立場で行っていたものである。しかし現在は施工者の提案という形で設計から施工側にその主流が移った。しかしオープンシステムの場合この生産設計の考え方で設計作業を行わないと、完全分離型の発注方式なので検討する立場の担当者は設計者ということになる。

まさにオープンシステムとは設計者にとってこれほどやっかいな考え方は無いのである。

ではどのような形の図面にすればいいのだろうか。今までの図面構成の他に、施工に直結した図面が必要になってくる。例えば木造(在来工法)の図面でも基礎図面として、コンクリート寸法図を兼用した図面とか、展開図にタイルの割付寸法を入れ込むとか、平面詳細図に木造の加工詳細を書くとか、例えばそういったものである。これはほんのごく一部でまだまだあるが、要するに生産するのに直結した詳細の部分を、いかに図面に書き込んでその図面があれば現場で、もしくは工場での生産がすぐできることが必要になってくる。そうしなければ、別で新たに図面を書かなければならい。それも方法であるが労力は必要だし、検討を加えた段階で手直しがでた場合設計図への影響もあるので、できたら設計図書を書く段階で、これらの詳細、生産性、を検討しておいた方が合理的である。

 設計図はディティールのかたまりとはいかに生産に直結した内容を設計段階で検討し描けるかで、基本設計で検討された内容を着実に生産現場に伝えられるかである。