第3章 品質管理は工事計画から

工事を進める前にこの工事をどのように進めいつ終わらすか、工程表を作成すると思うが、今まで施工者に書かせていた工程表を自ら考え描き、そして実行させる。オープンシステムの設計者はこの部分にも精通しなければならない。現場は段取り8分といわれるが、ゼネコンの所長で腕がよく、よく儲ける所長はこの段取りがうまいのである。工事が複雑になれば成るほど、段取りよく次々と進めることは相当の経験と、知識、知力が必要である。それと現場の段取りの善し悪しで如実に現れてくるのは、出来映えである。出来映えすなわち、品質の善し悪し、これが段取りの如何で大きく左右される。

ではこの段取りをよくするのにはどうしたらよいいか。基本設計、実施設計、積算、契約、これらの段階を経ていよいよ工事を進める時に、工程表作成するとき、一体何を根拠に作成するのか、もちろんベテランの建築士であればそのへんは把握していると思うがあえてここでは書くことにした。まずこの工事のいろいろな工種の工法、及び数量は把握できているか、そしてその工種工法の歩掛かりがわかっているか。例えば掘削工事を行うのに、重機は何を使って、また土砂の運搬車両の大きさ、台数、搬出場所距離等で進捗の度合いが違ってくる。また現場での作業手順、安全性、使用資材の準備、運搬経路等あらゆる角度からの検討をしてはじめて工程が書けるのである。これらの検討があらゆる工種に当てはめてはじめて全体の工程が把握でき、工程表として描けるのである。だから一枚の工程表を書くことは、その工事のすべての工種に精通し、工事終了までのモデリングが頭の中で描けなければ書けないのである。

これには経験することが一番であるが、なかなか現在のスピードを要求される時代には経験するまで待ってはくれないのある。ではどうすればいいか。オープンシステムでは専門工事業者の協力を得て工事を進めている。その専門工事業者はここ数年、ゼネコンから管理業務の委譲を受けて自主管理の体制を確立しつつある。まだまだ不十分の所もあるが、小規模工事の場合彼らの管理体制で十分工事を進めることができる。もちろん全体調整の主役は設計者であるが、予備知識として専門工事業者の施工管理の手法を取り入れることは十分に可能である。まず工事着手前に主立った専門工事業者と協議をし、工事の計画を彼らの意見を採り入れながら、立案しそして施工図、工程表、仮設計画、工種別施工計画等をまとめ、工事着工前にすべての工事の段取りを把握してしまうことである。その点オープンシステムでは発注業務が工事着手前にほとんど終わってしまうので、専門工事業者の協力は得やすい。そして工事が始まったら、最初に描いた段取り通り進んでいるか、何かトラブルはないかをチェックし、特に工程のクリティカルパスをしっかりとつかんで、その部分での出戻りをなくすことで、無理、無駄、が省かれスムースな工現場運営が計れるわけで、現場管理者の資質に求められる、KKD(経験、勘、度胸)が無くても(ある程度は必要)論理的に進めることができる。もちろん、全体調整の中で職人とのコミュニケーションも大事な要素の一つである。柔らかくいうと現場で職人に嫌われないことである。特に無理な要求をしなければならない場合に日頃のコミュニケーションがいかに大事か実感すると思う。工事規模がまとまっている場合はもっとマニュアル的なものはあるが、ここでは省かせてもらう。いい建物は段取り一つで最悪な建物に変身する。